2/7 あんち・なたりずむ(碧衣)

タコピーの感想、何て書こう…ってずっと悩んでたらめちゃめちゃ時間が経ってしまった。碧衣です。 
悩んだわりには特に解決もしてないので、また厄介オタクみたいな感想を書き出すかもしれないけどゆるしてくれ。

まず、タコピーはもともと読んでました。3話が公開された頃からかな? やばい話が連載されてしまっている…と慄いたことをよく覚えています。

で、ま~~感想というか何というか、なんですけど……色んな意味で本当に恐ろしい話だな、と思っています。それはもちろん、立花さんが指摘しているような話の丁寧さとか、深刻さをむしろ際立たせるようなきれいな絵柄もそうなんですが、私にとっては被虐待児家庭の解像度の高さが一番おそろしい。
正直、読む度にちょっとだけフラッシュバックで具合が悪くなるレベルです。いやまあ、私の家庭はあそこまで直接的な身体的精神的暴力があったわけではないんですけどね。ただまあ、立花さんは知っての通りうちは母子家庭+母親がちょっとアレな人だったので、今ではもう実の家族とは基本的に絶縁してるので……

まあ、私の話はいいんです。重要なのは、あまりの解像度の高さ故に、少しでも登場人物たちの境遇に自分と似たものを覚えてしまったが最後、各キャラクターの厄介オタクになってしまわざるをえないということ。
たとえば、なんですけど。ジャンプ+アプリのコメント欄なんか見てしまった日にはもうお終いです。最新話のコメント欄、立花さんは見ました? しずかちゃんを「さすが売女の娘だ…おそろしい」みたいに言うコメントがめちゃくちゃあって、スマホ叩き割りそうになりました(我ながら沸点が低すぎる)

わかるんです、確かに一読者としてみれば、しずかちゃんの行為にはおいおい、と思ってしまうし、母親がああだと娘もそうなるんだな、色仕掛けで男を操るんだな、と思ってしまうのも仕方ない。でもさ~~そうじゃないじゃん!!??しずかちゃんにとっては、母親を見て学ぶことのできた唯一のコーピング行動、唯一の人に頼るための方策がああいう肉体的接触であって、そこに子ども故の無知と無垢+とにかく自分にとって最も大切な存在であるチャッピーを取り戻したい、それ以外のことはどうでも…というある種残酷な無関心さが悪魔合体した結果がアレだったわけじゃん!!??それをさ~~売女とか淫売とかの一言で片付けちゃうのはどうかと思いますよ…だってしずかちゃん、まだ小学生なんだぜ??

東くんが、しずかちゃんに頼られたい期待されたい役に立ちたい、って思うあまりどんどんどんどん歪んでしまうのもあの家庭を見ていると宜なるかな、という感じです。
東くんは努力の人であって天才ではなかった、そのことの残酷さよ。
母親がもう自分に期待してくれないと叩きつけられたときに、母親に似ている女の子の期待を得ようとすることも、頼られれば何でもしようとすることも、彼がこれまでに家庭の中でじわじわと削り取られた自尊心のことを思えばいたって自然な行動なんですよね。ただ、今回の状況の方が不自然でありすぎただけで。

とまあ、そんな感じで、読む度に苦しい気持ちになりながらもそれでも続きが公開されたら読みたいと思ってしまう辺りは、本当に作者の力量だよなぁと思います。おそろしすぎる。

おしまい!